いつ産院から連絡が来ても、すぐに出発できるように、家に帰ってきたボクはカラスの行水の如く、一瞬でお風呂を済ませました!
19時10分、徐々にお腹の痛みも強くなり、子宮口も4cmになったと奥さんから連絡がありました。
奥さんに持ってくるように頼まれた2リットルの水、クッションなどの準備を済ませ、レッドブルを飲んでカフェインを注入し、ボクの準備は万端です!
21時30分を過ぎた頃、産院から「奥様のお産が近づいてきましたので、ご連絡しました。お気をつけてお越しください」と電話がありました。
早速、いつも使っているカーシェアサービスで車を手配し、ボクは産院へ向かいました。
いよいよ産まれるんかぁ。
赤ちゃん、元気に出て来いよ~。
奥さんも元気でおってくれ~。
祈るような気持ちで車を運転すること約30分。
ボクは産院に到着しました。
インターホンを押し、名前を告げると、「分娩室がある2階のまで来てください」と言われ、自動ドアが開きました。
いつも奥さんと一緒に、赤ちゃんの診査に来ていた1階は、静まり返っていて、ボクは奥にあるエレベーターに乗りました。
2階に着き、エレベーターを出ると、そこには誰もいませんでした。
分娩室と書かれた部屋の前に、長椅子があったので、ボクはそこに座りました。
すると、助産師さんが現れ、「本日、奥さんともう一人の方が出産に臨まれています。お母親と赤ちゃんを最優先に我々も行動しますので、旦那さんが赤ちゃんの出産に立ち会えない可能性もございますので、ご了承ください」と、説明してくれました。
「大丈夫です。母親と赤ちゃんを最優先してください。よろしくお願いします」と、ボクも助産師さんと挨拶を交わしました。
その直後、まさに出産に臨んでいる女性の力強い声とともに、「もう少しですから頑張ってください!はいっ、力んでください!!」という、助産師さんの声が左側の部屋から聞こえてきました!
えっ!?もう産まれんの赤ちゃん!?
驚くボクをよそに、廊下には、出産に臨む女性と看護師さんの声が響き渡ります。
頑張れ!奥さん!
頑張れ赤ちゃん!!
ボクは両手を握りしめ、声の先へ向けて祈りました。
「もう少しですよ!頑張ってください!!」という、助産師さんの声のあと、力強い声が聞こえたかと思うと、
オギャー!オギャー!!
赤ちゃんの産声が聞こえてきました!!
えっ!?産まれた!?
「お母さん、頑張りましたね!元気な男の子ですよ!!」と、間髪を入れず、助産師さんの祝砲が聞こえてきました!!!
うぉぉぉぉお!!!!!
鼓汰郎(こたろう)が産まれてきたぁぁぁぁあ!!!!!
よかったぁ~。
ありがと~。
ボクがほっと一息ついていると、右側のドアが開き助産師さんが現れました。
「お待たせいたしました。奥さんのもとへご案内します」と、先ほど聞こえた産声の方向とは正反対の部屋へボクは案内されました。笑
どうやら、先ほどの出産は、ボクの奥さんではなく、奥さんと同室の方だったようです。笑
とにかく、元気な赤ちゃんが産まれたようで、よかったです。
次こそ、いよいよ、ボクたちの赤ちゃんの出産です。
つづく