みなさん、こんにちは!Keisukeです!!
今回は竹取物語 蓬萊の玉の枝についてです!
長編、蓬萊の玉の枝の後半を説明していきます!
もくじ/Table of Contents
竹取物語 蓬萊の玉の枝 後編 動画紹介
講義動画もありますので、よかったら活用してください!
本文解説(約16分)
復習&テスト直前確認用(約9分)
暗記テスト用(約39分)
竹取物語 蓬萊の玉の枝 後編 本文解説
竹取物語原文
その山、見るに、さらに登るべきやうなし。その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたり。それには、色々の玉の橋渡せり。そのあたりに、照り輝く木ども立てり。
その中に、この取りてまうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなり。
では、1文ずつ、順番に見ていきましょう!
1文目:その山、見るに、さらに登るべきやうなし。
その山、見るに、さらに登るべきやうなし。
その山は、くらもちの皇子が見つけた蓬萊の山です。
見るにとありますが、誰が何を見たのかと言うと、くらもちの皇子がその山、蓬萊の山を見たのです。
さらにの現代語訳はまったくです。
登るべきやうなしのやう。
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すルールの7個目。
文字だけ見ても、どういうこっちゃですね!笑
スーパー分かりやすく説明します!
歴史的仮名遣い、登るべきやうなしのやは、やーーーーーと伸ばすと、アの音になりますよね。
だから、やはア段です。
やの後にあるうは、そのまんまウですよね。
この登るべきやうなしのように、ア段のあとにウもしくはフが続く場合、現代仮名遣いに直すときは、登るべきようなしのように、ア段のやをオ段のよにして、そのあとを"ウ"にしましょうというのが、
です!
よは、よーーーーーと伸ばすと、オの音になりますよね。
だから、よはオ段です。
ここで、ア段のやをオ段にすると、なぜよになるのかを詳しく説明しますね。気にならない人は、飛ばして読み進めてください!
やは「やいゆえよ」の行、や行のア段ですよね。
ちなみに、あ行は「あいうえお」、か行は「かきくけこ」です。
行のイメージはつきましたか?
ア段からオ段など、古文で段を変えるときは、同じ行で考えます。
なので、や行のア段であるやをオ段にするときは、同じや行で考えます。
「やいゆえよ」うち、伸ばすとオの音になるのはよですね。
伸ばすとよーーーーーとオの音になるので、よはオ段です。
登るべきようなしの現代語訳は、登りようがないです。
ですので、その山、見るに、さらに登るべきやうなしを、現代仮名遣いに直すと その山、見るに、さらに登るべきようなしとなり、現代語に訳すと くらもちの皇子が蓬萊の山を見ると、まったく登りようがないとなります。
その山、見るに、さらに登るべきやうなし。
→その山、見るに、さらに登るべきようなし。(現代仮名遣い)
→くらもちの皇子が蓬萊の山を見ると、まったく登りようがない。(現代語訳)
続けて、2文目!
2文目:その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。
その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。
その山は1文目と同じく、蓬萊の山です。
そばひらは、一つの単語です。
そして、そばひらのひは、単語の最初にない、『はひふへほ』の『ひ』なので、現代仮名遣いに直すといとなり、そばいらです。
そばひらの現代語訳はかたわら、横側です。
めぐればの現代語訳は、まわるとです。
まわったのはもちろん、くらもちの皇子です。
世の中になき花の木ども立てりの現代語訳は、この世にはない、花の木々が立っていたです。
ですので、その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てりを、現代仮名遣いに直すと その山のそばいらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てりとなり、現代語に訳すと くらもちの皇子が蓬萊の山のかたわらをまわると、この世にはない、花の木々が立っていたとなります。
その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。
→その山のそばいらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。(現代仮名遣い)
→くらもちの皇子が蓬萊の山のかたわらをまわると、この世にはない、花の木々が立っていた。(現代語訳)
では、3文目!
3文目:金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたり。
金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたり。
金の読み方はこがねで、表す色は現代と同じ金色、ゴールドです。
銀の読み方はしろかねで、表す色は現代と同じ銀、シルバーです。
ちょっと難しい漢字で書かれた、瑠璃色の読み方はるりいろで、青っぽい色です。
ですので、金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたりを、現代語に訳すと 金・銀・瑠璃色の水が、山から流れ出ているとなります。
この一文、現代仮名遣いに直す部分はありませんが、古文での金(こがね)、銀(しろかね)という読み方は覚えておいてくださいね。
金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたり。
→金・銀・瑠璃色の水が、山から流れ出ている。(現代語訳)
ほいっ、4文目!
4文目:それには、色々の玉の橋渡せり。
それには、色々の玉の橋渡せり。
それが指してるのは、直前の山からの金・銀・瑠璃色の水の流れです。
ですので、それには、色々の玉の橋渡せりを、現代語に訳すと 山からの金・銀・瑠璃色の水の流れには、様々な色の玉でできた橋が架かっているとなります。
※玉は美しい石、宝石や真珠などを表す言葉です。
この一文、現代仮名遣いに直す部分はありません。
それには、色々の玉の橋渡せり。
→山からの金・銀・瑠璃色の水の流れには、様々な色の玉でできた橋が架かっている(現代語訳)
あいっ、5文目です!
5文目:そのあたりに、照り輝く木ども立てり。
そのあたりに、照り輝く木ども立てり。
そのあたりは、直前の蓬萊の山からの金・銀・瑠璃色の水の流れや、橋があるあたりです。
輝くは、かかやくと読みます。
ですので、そのあたりに、照り輝く木ども立てりを、現代語に訳すと 蓬萊の山からの金・銀・瑠璃色の水流れや橋があるあたりに、光り輝く木々が立っているとなります。
この一文、現代仮名遣いに直す部分はありませんが、古文での輝く(かかや)という読み方は覚えておいてくださいね。
それには、色々の玉の橋渡せり。
→山からの金・銀・瑠璃色の水の流れには、様々な色の玉でできた橋が架かっている(現代語訳)
いよいよ、今回のラストです!
6文目:その中に、この取りてまうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなり。
その中に、この取りてまうで来たりしは、いと わろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなり。
その中には照り輝く木々の中にです。
まうで来たりしのまう。
今回の1文目でやった、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すルールの7個目を思い出してください。
もう一度、確認しておきましょう!
歴史的仮名遣い、まうで来たりのまは、まーーーーーと伸ばすと、アの音になりますよね。
だから、まはア段です。
まの後にあるうは、そのまんまウですよね。
このまうで来たりのように、ア段のあとにウもしくはフが続く場合、現代仮名遣いに直すときは、もうで来たりのように、ア段のまをオ段のもにして、そのあとを"ウ"にしましょうというのが、
でしたね!
もは、もーーーーーと伸ばすと、オの音になりますよね。
だから、もはオ段です。
この取りてもうで来たりしはの現代語訳は、この取ってまいりましたのはです。
※まいる(参る)は行くの謙譲語です。
取ってまいったのはもちろん、くらもちの皇子です。
わろかりしかどもの現代語訳は、よくなかったのですがです。
のたまひは、1つの単語です。
そして、のたまひのひは、単語の最初にない『はひふへほ』の『ひ』なので、現代仮名遣いに直すといとなり、のたまいです。
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直す1つ目のルールを思い出してください。
のたまいしにの現代語訳は、おっしゃったのとです。
※おっしゃるは言うの尊敬語です。
おっしゃったのは、誰かというと、かぐやひめです。
もうで来るなりのもうでを、現代仮名遣いに直すとまうでです。
もうで来るなりの現代語訳は、まいったのですです。
ですので、その中に、この取りてまうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなりを、現代仮名遣いに直すと その中に、この取りてもうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまいしに違わましかばと、この花を折りてもうで来たるなりとなり、現代語に訳すと 蓬萊山の光り輝く木々の中で、私(くらもちの皇子)が、この取ってまいりました枝は、とてもよくなかったのですが、かぐやひめがおっしゃったのと違ってはいけないだろうと思って、この花の枝を折ってまいったのですとなります。
その中に、この取りてまうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなり。
→その中に、この取りてもうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまいしに違わましかばと、この花を折りてもうで来たるなり。(現代仮名遣い)
→蓬萊山の光り輝く木々の中で、私(くらもちの皇子)が、この取ってまいりました枝は、とてもよくなかったのですが、かぐやひめがおっしゃったのと違ってはいけないだろうと思って、この花の枝を折ってまいったのです。(現代語訳)
いやぁ~、ここまで読んでくれてありがとう!
古文の勉強は、新しい単語や文法や仮名遣いのルールに出会うたびに、一つずつ焦らず覚れば大丈夫です!
ボクだって、古文をはじめて勉強したときは、何も知りませんでしたから!笑
下記のまとめの内容を理解できれば、今回の範囲はバッチリです!!
富士の煙は鋭意作成中です!気長にお待ちを!
竹取物語 蓬萊の珠の枝 後半 まとめ
現代仮名遣い&現代語訳
その山のそばひらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てり。
→その山のそばいらをめぐれば、世の中になき花の木ども立てりなし。(現代仮名遣い)
→くらもちの皇子が蓬萊の山のかたわらをまわると、この世にはない、花の木々が立っていた。(現代語訳)
金・銀・瑠璃色の水、山より流れいでたり。
→金・銀・瑠璃色の水が、山から流れ出ている。(現代語訳)
それには、色々の玉の橋渡せり。
→山からの金・銀・瑠璃色の水の流れには、様々な色の玉でできた橋が架かっている(現代語訳)
それには、色々の玉の橋渡せり。
→山からの金・銀・瑠璃色の水の流れには、様々な色の玉でできた橋が架かっている(現代語訳)
その中に、この取りてまうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまひしに違はましかばと、この花を折りてまうで来たるなり。
→その中に、この取りてもうで来たりしは、いとわろかりしかども、のたまいしに違わましかばと、この花を折りてもうで来たるなり。(現代仮名遣い)
→蓬萊山の光り輝く木々の中で、私(くらもちの皇子)が、この取ってまいりました枝は、とてもよくなかったのですが、かぐやひめがおっしゃったのと違ってはいけないだろうと思って、この花の枝を折ってまいったのです。(現代語訳)
重要古文単語
歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直すルール
富士の煙は鋭意作成中です!気長にお待ちを!
書籍紹介
ここでは、ボクがこの記事や講義動画などを作成する際に使用した書籍を、指導者の方々向けに紹介します!
生徒のみなさんは、先生やボクの記事、動画の内容を理解してくれれば十分です!
竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典/角川ソフィア文庫
1番オススメの書籍です!
"現代語訳→古文"の順で、一場面ごとに区切られ、竹取物語の全文が掲載されています。
コラムが豊富で、竹取物語に出てくるキーワードの理解が深まりまり、授業の小ネタも激増します!笑
現代語訳がとてもわかりやすいので、他は飛ばして、現代語訳を一気読みするだけで、竹取物語の全貌をイメージできます!
竹取物語の書籍はたくさんありますが、ボクはこの書籍の現代語訳が一番分かりやすかったです。
「竹取物語全体を、短時間で理解したい」という方や、「竹取物語を深く理解したい」という方の最初の1冊に最適です!
マドンナ古文単語230
言わずと知れた、大学受験生のバイブルです!笑
コチラの書籍、単語に対する解説が簡潔でわかりやすいです。
語源や単語の覚え方などにも言及しているので、授業での小ネタ集めに最適です!
大学受験用の書籍ですが、あやし、いとなど、竹取物語に出てくる単語はもちろん、枕草子、徒然草といった中学校の教科書に出てくる単語も掲載されています。
1単語につき。1分程度で読めるボリュームですので、時間に対して得られる生徒ウケ効果は非常に高い1冊です。
新版 竹取物語 現代語訳付き/角川ソフィア文庫
この書籍でも、竹取物語の全文が掲載されいます。
古文全文→現代語訳全文という順番で掲載されており、古文ページの下部には補足が各ページに記載されています。
どちらかと言えば、竹取物語の全文が掲載された教科書に近いです。
ですので、現代語訳も『竹取物語(全) ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』に比べ、カチッっとしています。
解説のページでは、成立年代や作者、登場人物のモデルとなった実在人物などが考察されています。また、参考文献として、竹取物語に関連・言及する古典の原典が掲載されています。
1冊目というよりも、2冊目以降として「竹取物語をより深く理解したい」方や、訳者による解釈の違いなどを調べたい方向けの書籍です。
富士の煙は鋭意作成中です!気長にお待ちを!