あらすじ
島流しのために、高瀬舟に載せられているにもかかわらず、弟殺しの罪人、喜助は遊山船にでも乗ったような、楽しそうな顔をしている。護送人の庄兵衛に問われた喜助は、自らの弟殺しについて語りはじめるが…
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(一)
高瀬舟は京都の高瀬川を上下する小舟である。この高瀬舟は、島流しとなった罪人を載せて、夕方の京都の町を下っていく。この舟の中で、罪人とその親類の者は夜通し身の上を語り合うのであった…
(二)
これまで高瀬舟に載せられた罪人は、目も当てられぬ気の毒な様子だった。しかし、この度載せられた罪人、喜助は遊山船にでも乗ったような、楽しそうな顔をしている。護送を命ぜられた庄兵衛はこの喜助の様子が不思議で仕方がない…
(三)
「この舟で大勢の人を島へ送ったが、どれもどれも島へ行くのを悲しがって、夜通し泣いていた。お前の様子を見れば、どうも島へ行くのを苦にはしていないようだ。一体お前はどう思っているのだい」と、庄兵衛に問いかけられた喜助は、これまでに自分の置かれていた境遇を話しはじめた…
(四)
庄兵衛は、「弟殺しのわけを話してくれぬか」と、喜助に言った。そして、「ある日、いつものように帰ると、弟が布団の上に突っ伏していまして、周りは血だらけなのでございます」と、喜助の口から"弟殺し"について明かされるのだが…
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